日々の生活の中で誰しもが経験する抜け毛ですがその中には「単なる生え変わり」として済ませてはいけない危険なサインが含まれていることがあります。異常な抜け毛と病気による脱毛を見分けるための第一の指針は脱毛のパターンとスピードです。通常の抜け毛は頭部全体から平均的に生じますが円形にぽっかりと抜ける場合や頭皮の広範囲が急激に薄くなる場合は免疫異常や全身疾患の可能性が極めて高いと言えます。第二の指針は抜け落ちた毛の状態です。抜けた毛の根元がマッチ棒のように丸みを帯びていれば正常なサイクルですが尖っていたり歪んでいたりあるいは根元が極端に細い場合は毛包に何らかの病的なダメージが加わっている証拠です。第三の指針は頭皮の状態です。激しい痒みや赤み、あるいは皮膚の剥がれを伴う場合は脂漏性皮膚炎や感染症、さらには皮膚科的な難病が隠れていることがあり炎症が長引くと毛根が破壊され永久的に生えてこなくなるリスクを伴います。第四の指針は全身に現れる随伴症状です。これこそが抜け毛と内部疾患を結びつける最も重要な鍵となります。例えば抜け毛に加えて急激な体重の変化やむくみ、脈拍の異常を感じる場合は甲状腺疾患が疑われます。また抜け毛と同時期に月経不順や強い冷え、顔色の青白さが現れたなら重度の貧血や婦人科系疾患の可能性があります。関節の痛みや発熱、日光に対する過敏反応が見られる場合は膠原病のような全身性疾患の初期症状として抜け毛が出ているのかもしれません。眉毛の端が薄くなる、爪に凹凸ができる、皮膚が異常に乾燥するといった細かな変化も重要な診断材料となります。もしあなたが一日二百本を超える抜け毛が一週間以上続きさらにこれらの随伴症状のいずれかに心当たりがあるならばそれはもはや美容の範疇ではなく内科的あるいは皮膚科的な医療介入が必要な段階です。インターネットで育毛剤を探す前にまずは専門医を訪ね血液検査を受けることを強くお勧めします。多くの病気は早期に発見し適切な治療を開始すれば抜け毛もろとも完治させることが可能です。自分自身の身体が発している「おかしい」という直感を信じ科学的な診察を受ける勇気を持つことがあなたの髪と健康、そして将来の生活の質を守るための唯一の方法です。曖昧な判断で時間を無駄にせず専門家の目による確実な診断を得ることこそが最短の解決策であり後悔しないための最善の選択となるでしょう。
放置してはいけない異常な抜け毛と病気を見分ける指針