M字はげをカバーするための髪型が決まったら、次はそのスタイルを一日中キープし、より自然に見せるための「スタイリング剤」の選び方と使い方が重要になります。間違ったスタイリング剤を選んでしまうと、せっかくのカットが台無しになり、かえって薄毛を強調してしまうことにもなりかねません。まず、M字はげの人が避けるべきスタイリング剤は、重たい質感のものです。例えば、ツヤ感を出すためのジェルやグリース、オイルなどをつけすぎてしまうと、髪が束になり、その束の間から地肌が透けて見えてしまいます。また、重さで髪がぺたんと寝てしまい、トップのボリュームが失われる原因にもなります。選ぶべきは、軽くてセット力のある「マット系」や「ドライ系」のワックスです。これらのワックスは、ツヤを抑え、ふんわりとした自然な質感を出すことができるため、髪一本一本をコーティングしながら、ボリュームがあるように見せてくれます。また、根元の立ち上がりをキープしたい場合には、「ハードスプレー」も必須アイテムです。スタイリングの使い方の手順も重要です。まず、髪を乾かす段階が勝負の分かれ目です。ドライヤーの風を下から当て、薄さが気になる部分の根元を指で立ち上げるように乾かします。特に、M字部分をカバーするように流したい前髪は、流したい方向と逆向きに一度乾かしてから、最後に流したい方向へ整えると、自然なボリュームと毛流れが生まれます。髪が完全に乾いたら、ワックスを少量（小豆一粒程度）手に取り、手のひら全体に薄く伸ばします。そして、いきなり前髪につけるのではなく、まずはボリュームを出したいトップや後頭部の髪の内側から、揉み込むようにして馴染ませていきます。最後に、手に残ったわずかなワックスで、前髪の毛先を整える、という順番です。仕上げに、スタイルをキープしたい部分から20cmほど離して、ハードスプレーを軽く吹きかければ完成です。スタイリング剤は、あくまで髪型をサポートする脇役。つけすぎず、軽やかに仕上げることが、M字はげを感じさせない、洗練された大人のスタイルの秘訣なのです。